葬儀外受注アップ、従業員の負担軽減や 業務の質的向上を実現

株式会社東京セレモニー様[東京都葛飾区]

株式会社東京セレモニー様[東京都葛飾区]

今回は、2020年9月にシステムを導入し、その効果でコロナ禍においても順調に業績を伸ばしている株式会社東京セレモニー(本社東京都葛飾区、社長山本大介氏)にシステムの利用状況や導入効果などについて話を伺いました。

コロナ禍における経営改善を目的にシステムを導入

Q:貴社が顧客管理システムを導入した経緯・理由

A:1988年に創業した㈱東京セレモニーは、自社会館「さくらホール立石」(2005年開業)をはじめ、管理運営式場「常楽院ホール」、斎場併設式場や寺院での葬祭施行をメインとする葬祭事業者です。

導入のきっかけは、コロナ禍における経営改善のため、オンライン葬儀に対応できるようにしたいと考えたことでした。

導入にあたり、ライフエンディングテクノロジーズからオンライン葬儀だけでなくさまざまな売上げの向上・改善につながる機能があることを紹介され、同社では葬儀後のアフターセールスをはじめ、施行情報の管理や会員向けメール案内、イベント集客、見積や発注書の管理、経営数字の把握など、葬祭事業を営むうえで必要な営業・事務・経営管理まですべての業務で活用するようになりました。

以前はパソコンを使うことも少ない環境だったスタッフのためには、専用のカリキュラムに基づいた研修機会が提供され、操作方法の習熟が図られスムーズに導入が進みました。

アフターフォローを強化したい葬祭事業者の想いをシステムが実現

Q:顧客管理システムを活用したことによる成果(できれば具体例を交えて)

A:「スマート葬儀」の導入効果は大きかったです。
導入前の19年、同社の年間葬儀施行件数は240件程度だった。それが同システムを用いた事前相談からの案内、イベント集客などの活性化で、施行件数は20年に270件程度まで増加、さらに会員獲得数も前年比241%と大幅な増加となりました。

施行件数そのもののも増えましたが、データを精査すると一般の問合せやポータルサイトからの受注割合が減る一方で、会員からの受注割合がふえており、システムを活用した集客がうまくいっていることがわかります。

アフターフォロー(葬儀外受注)の売上げも大きくアップしました。導入前の葬儀1件あたりの葬儀外受注は平均3万円程度だったのに対し、同システムの導入・活用が定着した現在は10万円程度となっています。

受注内容は返礼品をはじめ、位牌、仏壇・仏具、お墓、遺品整理、法事・法要、手元供養品、手元供養のための写真の再加工、定期的な供花、喪中はがき、新盆の盆提灯など多岐にわたっています。

これまでなかなか継続することがむずかしかった顧客接点が維持できている点、そして、誰が何をどれぐらい販売できているかも簡単に把握できるので、いつ何を営業促進すべきか打つ手が見つけやすいという点が大きいです。

「スマート葬儀」のデータベースに基づいたSMSやメールなどの発信機能を活用し、遺族に負担をかけずに葬儀後にやらなければならないこと、やった方がいいことの情報を伝え、担当者がより良い提案をより良いタイミングで行なうことで、顧客満足度が上がり、売上げにつながっています。

従来の「葬儀のアフターフォローをしたいけれども、目の前の葬儀の遺族に寄り添うので手一杯」という葬祭事業者の想いを、システムが矛盾なく解決していると言えると思います。

もう1つ、従業員の負担軽減も大きな成果でした。「スマート葬儀」を活用して見積りを作成すると、そのまま関係会社への発注もできます。私の経験だと、システム導入前は葬儀1件あたり1~2時間かかっていた発注業務の時間が、ほぼすべて遺族に寄り添う時間や経営管理の時間に充てられるようになりました。

実際、全体の残業時間も目に見えて削減できています。

Q:顧客管理システム導入時と導入後、それぞれについての従業員の声

A:従業員からは「ご遺族様と長く深くお付き合いできるようになりました。それで業務時間がふえるのかというと、まったくそういうことはなく、むしろ間違いがなくなったことで残業をすることも少なくなりました。余裕をもった時間をとれるようになり、お客様により良い提案や葬儀の担当に集中できるようになりました」という声があります。

「業務の効率化」を超えて「業務の質的向上」を実現

Q:ライフエンディングテクノロジーズへの要望等

A「日々お伝えする要望について、スピード感をもってバージョンアップという形で対応してくれていることも非常にうれしいです。

たとえば、同社からの「各担当から事務にいたるまでの情報交換と引き継ぎのために『施行日誌』的な機能がほしい」という要望に基づいたバージョンアップでは、情報の一元管理を強化したことで、葬儀を直接担当していない事務スタッフでも遺族の状況を把握したうえでの電話対応が可能になったほか、イベント客の入会促進などもより効果的なアプローチができるようになりました。

今後は、事前相談会などでヒアリングした内容を、そのままご遺族にお見せできるようなページをつくっていただけると、葬儀打合せや見積りの際に故人の想いを叶えられるので、一緒に考えていきたいなと思っています。

Q:今後、システムを活用して実施したいこと、取り入れたいこと

A:「スマート葬儀」は、従来は維持することのむずかしかった葬儀後の遺族との関係性について葬祭事業者をサポートし、アフターフォローをしたいという想いを叶え、顧客満足度を向上させ、他の業者に分散していたさまざまな葬儀外受注を獲得することに貢献しています。

それだけでなく、見積りなどの業務の効率化によって従業員により良く・より長く遺族に寄り添う時間をもたらし、かつては各担当者の手帳の中に留まっていた情報の一元管理・共有により顧客対応を含む業務の質的向上を実現しています。

葬祭事業者にとっては、「これまで手が回らなかったところにしっかり情報を届け、これまで目が届かなかったところもしっかり情報を把握する」ために非常に有効なシステムだと言えると思います。

当社では、今後「スマート葬儀」をさらに活用して、会員やリピート獲得のためのより効果的な施策を展開していきたいと考えています。