葬儀顧客管理システム導入が売上増加・顧客満足につながる3つの理由
「顧客管理をもっと楽にできないか…。」
葬儀の低価格や小規模化、競合の台頭。さまざまな条件が重なってこれまで順調だった売上が低迷してしまった…。
という地方の葬儀社が増えてきました。御社だけではありません。経済産業省から発表されたデータをご覧いただくと、多くの葬儀社で売上や顧客確保に課題を抱えていることが分かります。
※参考元:経済産業省
結論から申し上げますが、売上低迷の解決策としてまず着手すべきは『顧客管理』です。
顧客管理をおこなうことで、
・既存顧客をさらに満足させるサービスを行うことができる
・各顧客ごとに細かいマーケティング施策を行うことができる
・潜在顧客へのアプローチや一度離れてしまった顧客に対して効果的なアプローチができる
・営業のアプローチ時のトラブルやミスも防ぐ
などなど、さまざまなメリットがあります。
とはいえ、顧客管理を手作業でやることには限界がありますし、手作業中にミスがあっては元もこもありません。
顧客管理をミスなく効率的におこないたいのであれば、顧客管理システムの導入が一番おすすめ。
システムは、葬儀の顧客管理・営業をシンプルにして、お客様の顧客生涯価値を最大化することに役立ちます。
実際、業務フローの無駄が減り、業務時間を2時間短縮できた、最適なタイミングでご遺族にアプローチしたことで顧客満足度が上がり、葬儀外受注が約7万円増加した例などもあります。
参考:葬儀外受注アップ、従業員の負担軽減や 業務の質的向上を実現
システムの導入は葬儀社だけでなく、お客様にもメリットをもたらします。
そこで本記事では、顧客管理の重要性という基本的なポイントから、システムのメリット・デメリット、選び方から、プロがお勧めするシステム、導入事例など「葬儀社にとっての顧客管理システムのすべて」を紹介します。
すべて読んでいただくことで、「顧客管理の重要性」だけではなく「システムを導入すべきか?」の根本的な疑問も解消されるでしょう。ぜひ最後までお読みください!
目次 [非表示]
意外と知られていない顧客管理の重要性
「顧客管理=お客さまの情報をただ管理する」
だけのように感じられるかもしれませんが、顧客管理は「お客さまとの関係性を良好にするために最も適した手段」なのです。
顧客管理お客さまの基本情報(氏名、住所、年齢などの個人情報)を管理するだけではありません。購入履歴などの販売・売上データもあわせて管理することで、主に以下の3つの問題・希望が解決されるんですよ。
1)情報共有によるトラブル&機会損失の回避
2)業務効率化による人件費の削減
3)顧客満足度UPによる売上増
情報共有によるトラブル&機会損失の回避
社内で情報共有がきちんと行われていれば、担当者が不在でも他の者がしっかりと対応することができます。
利用者さまからしてみれば「あれ?また同じこと言わないといけないのか…面倒な会社だな…」と感じてしまうでしょう。
そのため、業務の遅れによる売上の機会損失が発生してしまいます。
また、担当者が一人で業務を抱えこむことが減るため、流れがスムーズになり、業務スピードが落ちにくくなります。
ミスが発生した場合でも、可能な限り早めの対応をすることができるため、損害が大きくなるのを事前に防ぐことが出来ます。
業務効率化による人件費の削減
本来従業員がやるべき作業を、システムが代わりにおこなってくれるため、人件費、おもに教育コストなどが大幅にカットされます。
やらなくても良い作業が減れば、人がやるべき作業に集中できるようになるため、人件費効率は大きく上がるでしょう。
顧客満足度UPによる売上増加
トラブルや機会損失が減り、人がお客さまにもっと寄り添うことができたらどうでしょうか?お客さまの満足度・信頼度が大きく上がります。
顧客の満足度を向上させて、お客様が葬儀社のファンになってもらえれば、安定した売上を得るのも夢ではありません。
ここまでで、顧客管理を積極的に行うことが、葬儀社の売上に影響を与えることを説明してきました。
企業によっては、既に表計算ソフト、データベースソフトなどを使い、日々の業務の管理を行っておられることでしょう。
既存の仕組みでうまく行っている場合は、そのままご活用されてください。
しかし、もし既存の顧客管理がうまく機能していないようであれば、顧客管理システムを導入してみてはいかがでしょうか?
システムを用いて顧客情報を管理することで、情報を一箇所で管理することが容易になります。いわゆる情報の一元管理が実現されることにより、業務の属人化、重複などを防ぎ易くなります。
また、システムにより業務が可視化され、より効果的に業務時間の配分が可能になります。
顧客管理システム導入で大事なこと
顧客管理システムがあれば、人件費効率が劇的向上し、売上を安定できる!とはいうものの、やみくもに導入すれば良いというわけでもありません。
システム導入で大事なことが大きく3つあります。この3つのポイントをおさえておかないとせっかく導入したシステムを100%使いこなすことができなくなってしまいます。
1)葬儀の知識がある会社が運営しているか?
2)目的や課題を明確化させる
3)継続的に使っていけるかチェックする
重要な順から紹介します。
葬儀の知識がある会社が運営しているか?
餅は餅屋。顧客管理システムは大きく「すべての業界で使えるもの」と「業種に絞ったもの」の2つにわかれます。
業種に絞った、今回でいえば「葬儀社という業界に絞ったシステムであるか」というのは一番重要です。
葬儀に関連した必要な機能は特化され、不要な機能が省かれることによって、使いやすさがダントツに違うからです。
使いやすいようになれば、導入から最短でシステムを使いこなせるようになります。
目的や課題を明確化させる
まず、どのような目的があるのか、業務の中で具体的に何を解決したいのか?事前にハッキリさせておきましょう。
目的を果たせず、課題を解決できないシステムを導入しても、実際に使えるようになるまでかなりの時間を要する場合があるからです。
弊社でよくいただくのは、
・売上を今の1.2倍にはしたい。
・情報共有を強化して、お客さまへの対応スピードを迅速にしたい。
・適切なタイミングでアフターフォローをしていきたい。
といったご要望です。
このような場合は、基本情報の他に、お客さまの属性、問い合わせ内容、担当者が行った対応などの情報が必要になるんですね。
これらの情報を事前に把握している企業さま、把握していない企業さまとでは、導入後の目的達成・問題解決スピードが圧倒的に変わります。
御社がどのような問題解決をしたいのか?そのために必要な情報はなんなのか?わからない場合は、システム提供企業に一度聞いてみるのも一つの手です。
継続的に使っていけるかチェックする
せっかく導入したシステムが、従業員の生産性を高めないものであるのは望ましくありません。また、いくら優れたシステムであったとしても使いにくいものであれば、次第に使われなくなります。
継続的に使えるかどうかは、「システムのサポート体制」によって決まります。
よくあるケースでは、「システムを導入したものの、初期サポートのみで後はほったらかしにされている」というケース。これでは継続的に使うことは不可能でしょう。
初期導入時だけではなく、毎月継続的なサポートがあるシステムを導入すれば、導入だけではなく、継続的にシステムを使いこなせることができるようになるでしょう。
システム導入のメリット・デメリット
顧客管理システムはメリットだけではありません。デメリットもあります。メリット・デメリットを把握した上で導入を検討してみてください。
メリット | デメリット |
・顧客情報を集約できる ・全社的に情報を共有しやすくなる ・経営戦略の立案に活用できる | ・導入・運用にコストがかかる ・使われなくなるリスクがある ・すぐに効果が表れないケースが多い |
詳細は省いてしまいましたが、「顧客管理に必要な作業はすべて踏襲できる」という最大のメリットとは裏腹に、「使えなくなる」というのが最大のデメリットということです。
使いづらく、サポート体制も不十分なシステムでは、せっかく導入しても意味がありません。どんな顧客管理システムを選ぶかは慎重に検討する必要があるでしょう。下記の選び方をぜひご参考ください。
顧客管理システムの選び方
数多くある顧客管理システムから、自社に適したものを選ぶときに大切にしたいのは、実際に運用しやすいかどうかです。
実際の運用方法、値段、プラン、セキュリティなどの視点から、システムの選び方を以下の4つを紹介します。
1)自社で運用できるものか
2)無料か有料か
3)セキュリティ面に問題がないか
4)オンプレミスかクラウドか
自社で運用できるものか
自社のスタッフが、感覚的に使いこなせるシステムを選びましょう。
導入の目的にあった機能を備えていて使いやすいものが、システムを選ぶポイントとなります。
運用に慣れるまでの期間、運用していく期間のサポート体制が整った会社のシステムであれば、安心して導入することができます。
サポート体制は会社によって異なるので、保証期間、サポートの方法などもしっかりと確認しておきましょう。
無料か有料か
顧客管理システムには、無料版と有料版が存在します。
小規模な会社で顧客数がまだ少ない場合、無料版でも十分に効果があるかもしれません。しかし、通常無料版には機能や利用人数の制限があり、多くの場合、顧客サポートも存在しません。
また、無料版の機能制限により、会社が求めている結果が出ないこともあります。
金銭的な敷居の低さと得られる効果をしっかりと天秤にかけ、会社にとって必要なものを選択してください。
もちろん、有料版のトライアル版を活用して、操作性、インターフェースなどの使い勝手を確認しておくことは非常に有効です。
セキュリティ面に問題がないか
顧客情報の性質上、セキュリティが万全なシステムで情報を管理することが必須となります。
もし情報が漏洩するようなことがあれば、会社の信用が落ちるだけではなく、損害賠償を行う必要も出てきます。
システム販売会社が、情報セキュリティの国際規格(ISO27001)のような規格を取得しているかどうかも確認しておいた方が良いでしょう。
オンプレミスかクラウドか
顧客管理システムには、「オンプレミス型」と「クラウド型」という2つの種類があります。
オンプレミス型とは自社にサーバーを設置し、情報システムをインストールして運営するものです。自社専用にカスタマイズすることができ、セキュリティ面でも安心感があります。
しかし、導入費用が高額な上、ソフトウェアのバージョンアップにも費用がかかります。
一方、クラウド型とは、インターネット経由で外部のサーバーにあるシステムを利用するものです。導入費用が安く、メンテナンスのための費用がかかりません。
インターネットを使うことができれば利用できて便利ですが、柔軟なカスタマイズには対応しにくいです。
オンプレミス型、クラウド型それぞれの特性を捉え、会社にとって最適なサービスを選ぶようにしてください。
導入に必要な費用
自社で使用するシステムはオンプレミス型にすべきか、クラウド型にすべきかを悩まれる担当者も多いのではないでしょうか?
ここでは、オンプレミス型とクラウド型の導入費用、ランニングコストなどシステムの導入・運営の際に気になるコストについて紹介します。
オンプレミス型(パッケージ)
オンプレミス型のシステムを20名で使用するときの相場は、50〜200万円程度です。
必要とされる機能が異なるため、初期費用とランニングコストは会社によって異なります。
運用するためのサーバーを保守する費用も、必ず予算に含めておいてください。
費用項目 | 金額目安 |
サーバーの設置費用 | 5万円前後 |
パッケージ料金 | 5〜10万円 |
ライセンス発行費用 | 2〜10万円(ユーザー1人につき) |
年間保守費用 | 5〜30万円 |
クラウド型
クラウド型のシステムを20名で使用するときの相場は、無料〜7万円程度です。
初期費用の相場は、無料〜5万円程度ですが、無料というのはアカウントの発行に限られます。システム会社によっては、事前サポートとして初期費用がかかることがあります。
費用項目 | 金額項目 |
初期費用 | 無料〜5万円 |
月額料金 | 500〜1,000円(ユーザー1人につき) |
プロがオススメする顧客管理システム6選
6つの顧客管理システムを「葬儀社に特化しているシステム」と合わせておすすめ順で紹介します。すべてのシステムが「2022年IT導入補助金対象」のため、導入する際にはご活用ください。
スマート葬儀
手前味噌ではありますが、実際の葬儀運営会社が提供している「クラウド葬祭管理システム」で、「葬儀の業務効率化と葬祭業で働くすべての人の生産性を向上させる機能を実装」しているため、多くの葬儀社よりご好評いただいております。
システムタイプ | クラウド型 |
葬儀社に特化しているか? | ◯ |
セキュリティ | ISO/IEC 27001:2013 |
利用料 | 無料〜 |
導入企業さまの声
自社の強みを活かした活用と業務改善を支える「スマート葬儀」
株式会社日比谷花壇様[東京都港区]
何よりも、スマート葬儀はシステムのアップデートサイクルが非常に速いことがうれしいですね。システムをこんな風に使いたい。という相談をしたら翌週には、関連した機能がアップデートされていて使いやすくなっているということが非常に多く、大変助かっています。
※「導入事例」より抜粋
葬儀2000 plus f
見積・請求などの販売管理、施工管理、供物管理、法要管理、会員管理が可能です。他システムとの相互データ連携機能が充実しているので、煩雑な葬祭業務で「間違いのない処理」をすることができます。
システムタイプ | クラウド型 |
葬儀社に特化しているか? | ◯ |
セキュリティ | 不明 |
利用料 | 無料〜 |
導入企業さまの声
関西地区N社様、関東地区O社様、その他お客様
ホワイトボードをメモしたり、写真を撮ったりする必要が無くなったので、施行担当者に余裕ができました。外出先からでも、必ず最新の情報を見ることが出来るので安心感があります。
※「事例紹介」より抜粋
MUSUBYS(ムスビス)
クラウド型の葬儀社専用総合プラットフォームです。葬儀社のすベての業務に対応し、情報の一元管理・共有により、伝達ミスを減らすことができます。分業がうまく行くことにより、時間効率が向上し、営業活動により多くの時間を割けるようになります。
また、リアルタイムに実績を把握することができるため、どこを改善し、何を育成すれば良いかも知ることができます。
システムタイプ | クラウド型 |
葬儀社に特化しているか? | ◯ |
セキュリティ | 不明 |
利用料 | 導入:50万円〜 |
船井ファストシステム
※2022年IT導入補助金対象
株式会社船井総合研究所が提供しているクラウドサービスで、サイボウズ株式会社が提供しているkintone上に作ったアプリケーションをパッケージ化したシステムです。葬儀社ごとに、オリジナルアプリを作成することができます。
システムタイプ | クラウド型 |
葬儀社に特化しているか? | × |
セキュリティ | 不明 |
利用料 | 導入:38.5万円 |
導入企業さまの声
1施行当たりの業務時間を40%短縮!分業体制構築により、残業時間や休日出勤率を80%削減できた事例
担当者以外でも顧客対応が可能になったので、お客様への対応がよりスピーディになりました。例えば、お客様が支払いに店舗の方へいらっしゃった時、今までは担当者に連絡をして、どのように対応すればいいかを確認していましたが、今ではkintoneを見ればわかるので、誰でも対応することができるようになりました。
※「導入事例」より抜粋
Salesforce(セールスフォース)
顧客一人ひとりの情報を一元的に共有できるクラウド型統合プラットフォーム(システム)です。情報源を共有することで、データに基づいた顧客ニーズに対する適切な行動を、すべての従業員が行うことを可能にします。
システムタイプ | クラウド型 |
葬儀社に特化しているか? | × |
セキュリティ | 不明 |
利用料 | 無料〜 |
導入企業さまの声
葬儀社の事例は見当たりませんでしたが、「お客様事例」にてさまざまな企業さまが紹介されています。
CEREX(セレックス)
葬儀社へのシステム導入の実績と、葬儀のコンサルティング経験をもとに開発された、直感的な操作と業績管理が可能です。
システムタイプ | クラウド型 |
葬儀社に特化しているか? | × |
セキュリティ | SSL(暗号化技術) 二重のIDとパスワード認証 |
利用料 | 1ヶ月無料〜 |
まとめ
これからの時代、葬儀社にとっても顧客管理が経営の鍵となります。
とはいえ、それぞれの担当者が紙のノート、表計算ソフトなどで業務を管理していては、いずれ限界がきます。
簡単にミスなく、効率的に管理を行いたいのであれば、顧客管理システムを使うことをオススメします。システムを使用することで、葬儀社の業務の効率化だけではなく、売上の増加も十分見込めるからです。
ミスの許されないことが多い葬儀の場でも、無駄なく、万全な体制で業務に取り組むことも手助けしてくれるでしょう。
「ミスを減らして売上を最大化したい!」
と思われた方は、ぜひ顧客管理システムの導入を検討してみてください。
かかるコスト以上に売上アップに貢献してくれる強力な助っ人になります。