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【MIROKU×AgeRobotics】欧米で浸透する「アクアメーション葬」―― ベンチャー×互助会グループで国内普及に挑む

公開日時:2026/5/25

  • 関連事業社対談

【葬儀周辺サービス紹介対談】
㈱MIROKU 代表取締役 六門直哉氏
AgeRobotics㈱/LDT㈱ 代表取締役CEO 白石和也氏
※この記事は月刊フューネラルビジネス2026年6月号の掲載内容を元に加筆修正した内容になります。

AgeRobotics㈱は、葬祭業界に特化した顧客管理システム「スマート葬儀」の提供などで業界のデジタル化に貢献するだけでなく、活発な情報交換で業界の活性化も期する。今回はAgeRoboticsのCEO白石和也氏が、3月に国内初のペット向けアクアメーション葬を開始したばかりの㈱MIROKU代表取締役の直哉氏と対談。アクアメーションとの出会いと特徴、普及戦略などを伺った。

火葬からエコロジカルな葬法へ、ペット用装置からの普及図る

白石 貴社が開発したペット向けアクアメーション装置「MOTHER」が今年3月に発売されましたが、まずは「アクアメーション」について教えてください。

六門 アクアメーションは欧米ではすでに確立された合法的な葬法です。アルカリ水溶液を用い、適度な温度・圧力管理のもとで遺体をきれいな遺骨の状態にするのがアクアメーション葬法です。火葬と比べて排煙が出ないため市街地のオフィスビルや商業施設での実施が可能です。しかも、CO₂排出量を約90%削減できて環境にやさしく、動物がもつ病原菌などを死滅させる安全性も確保しています。

白石 六門社長は、葬祭外の業界のご出身だと伺っております。

六門 当社は遺体搬送と安置のフランチャイズ展開を行う会社として2024年7月に創業しました。私は半導体メーカー、ドローン専業メーカーでの勤務を経て同年12月に入社しました。モノづくり関係に携わりたいという思いもあったのですが、転職を機にさまざまな業界を見ていくうちに、葬祭業界にはいままで知らなかった深刻な問題が数多いという印象をもちました。死亡数は増加する一方、火葬場はすでに足りておらず新設がむずかしい。夫婦と子ども1人、ペット1頭といった世帯が多いですから、ゆくゆくはペットの火葬も問題になるだろうと予測していました。そうしたなかで、葬祭業界は構造とか仕組みが実はアップデートされていないのではないか、新たな技術などで解決できるのではないか、という疑問から葬祭業界に興味をもったのが原点ですね。

白石 アクアメーションとの出会いは。

六門 葬儀業界のことはあまり知らなかったのですが、火葬に代わる葬法としてプロメッション(フリーズドライ葬)の技術があることは知っていました。遺体を急速冷凍して細かく崩し、乾燥して粉末にした画期的な葬法であるとは思いつつ、遺体を凍らせて粉砕したりするのはどうも穏やかでないイメージをもっていたのです。そこで出会ったのがアルカリ加水分解葬、つまりアクアメーションでした。海外でアクアメーションを展開している事業者のプロモーションを見て、「これは穏やかでやさしい葬法だ」と思ったのです。また分解後に残った液体の一部を使って花を育てる、新たな命につなぐといったアイデアも浮かびました。

しかも、アクアメーションは国内ではまだ誰もやっていない。私が調べたかぎり、葬儀社のホームページのコラムでたまに取り上げられるくらいで、葬祭業界でも知らない人が多いのではないかという状態でした。

ビジネスモデルとしてはペット葬事業者にMOTHERを販売し、導入先にアクアメーション葬に必要なアルカリ溶剤、分解後の廃液の中和剤などの薬剤を販売していくという、プリンター販売のようなビジネスモデルをとっています。

約7割の飼い主がアクアメーションに肯定的

白石 ペットのアクアメーションが普及しているのは、やはりヨーロッパですか。

六門 オーストラリア、アジア、ヨーロッパなど全世界で普及していますが、最も普及しているのはアメリカでしょう。実はMOTHERの開発にあたって、アメリカで実際にアクアメーションを選んだ飼い主様にインタビューをしたのですが、その方は亡くなったペットを火葬するのはとても忍びないと自宅の冷凍庫に数週間安置していたそうです。アクアメーションは知人から教えてもらったようですが、「なぜアクアメーションを選んだのか?」という私の質問に、私と同じく「穏やかなやさしい葬法だと思ったから」と答えていました。実はMOTHERという名称については、「母親の胎内に戻っていくような、穏やかな最後」という意味合いを込めています。今後のプロモーションにおいては、この「穏やか」「やさしい」というイメージを前面に出していきたいと考えています。

白石 いいですね。国内では火葬が当たり前になっていますが、海外は土葬が主流です。

六門 当社が去る1月に実施した飼い主様向けのアンケートでも、アクアメーションに「興味がある」「やってみたい」という方は約7割にのぼり、もしかしたら「火葬が当たり前」という考え自体が事業者側の固定観念なのではないかと思いました。

白石 飼い主は、火葬以外の葬法にも抵抗がないと。

六門 はい。やさしく穏やかな最後のプロセスが求められている方も多くいるということではないでしょうか。

とはいえ、装置の開発は大変でした。アクアメーション装置のメーカーは世界で数社しかなく、そこから設計図やノウハウをもらえるわけではありません。当社で実験を重ねて技術を確立していくしかなかったのです。その実験にしても、検体を確保するのがむずかしい。そのため、鶏肉や大型ペット用の餌としての動物を購入して実験したり、自治体にお願いして道路上の動物の死骸を検体としていただいたりして実験を繰り返しました。結果、処理条件の最適化や、装置の仕様、使用上の課題などを試行錯誤しながら完成させることができました。

国内におけるアクアメーションのパイオニアとして海外展開も視野

白石 今後、アクアメーションを普及させていくために、どのような戦略をお考えですか。

六門 この3月に販売を開始したばかりですから、あまり大きなことは言えないですが、まず、当社は知名度がありません。ですから、既にこの業界で存在感のある葬祭事業者様との連携、またプレスリリースやSNS・広告等で情報発信を繰り返して認知を高めていきたいと思います。

またMOTHERを導入される事業者様には、ペット葬専業者をはじめ、ペットサロンなどのペット関連事業者、これから人だけではなくペット葬も手がけようとしている葬祭事業者、異業種からペット葬事業に参入しようとしている方々などさまざまです。現在葬事業を行なっている事業者様は多くの実績がありますから施行やサービスのクオリティに問題はないでしょうが、新規参入の場合はオペレーションをイチから学んでいかなければなりません。そうした場合、当社は事業提携している企業とともに、事業者様に具体的なレクチャーをさせていただくなどフォロー体制を整えているので、施行・サービスのクオリティ担保に貢献できると思います。

MOTHERの具体的な販売目標は出していませんが、国内では他社の追随を許さないくらいのシェアを取りたいと考えています。販売代理店や実際にアクアメーションを行っていただく葬祭パートナーは随時募集中ですし、来たる6月には「フューネラルビジネスフェア2026」に初出展します。アクアメーションとは何か、MOTHERがどんな装置なのか、この記事をお読みの方にぜひ体感していただきたいと思います。

海外への展開も視野に入れており、5月には海外で開催される展示会に出展します。大型のペットが多いアメリカなどでは、アクアメーション装置も大型なのですが、MOTHERは中・小型のペットが多い日本市場に合わせてコンパクトなつくりにしており、設置場所に融通が利くため、ヨーロッパでも国土が狭い国では受け入れられるのではと考えています。また海外の葬祭業者と話したところ、日本の葬送儀礼は海外でも参考にされたいという話がありました。日本の葬送儀礼とMOTHERを組み合わせていくことで海外でも存在感を発揮できるのではないかと考えています。

白石 ありがとうございました。

アクアメーション装置「MOTHER」
室内設置型のコンパクトタイプ(約15㎡の省スペースでの運用可能)を実現することで、市街地のオフィスビルや商業施設でペット葬儀の施行を可能としました。
従来のペット火葬で問題視されていた「排煙・臭い・騒音」を解消することにより、郊外型の火葬場から市街地型の葬祭施設へと変わります。
これにより、自宅近隣での葬儀が行えるようになり、高齢者飼主の移動負担軽減や、家族や友人の葬儀への参加が容易になります。
家族化が進むペットユーザーの新たなニーズを満たすとともに、二酸化炭素を極限まで抑えた「エコな葬儀」の普及による環境貢献を実現が可能。

販売業者:株式会社MIROKU
所在地:東京都千代田区麹町1-3-6 ダイアン麹町ビル404号室

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