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葬祭業コラム
補助金
葬儀社経営者の皆様、葬祭業専門コンサルタントの小泉悟志です。
現在、日本全国の葬儀社経営者様から、私のもとに非常に切実な経営相談が数多く寄せられています。
「家族葬や直葬が主流になり、施行単価が下がり続けて歯止めがかからない……」「地域の高齢化で火葬場待ちが長期化し、自社の遺体安置設備がパンク寸前だ……」「競合の低価格チェーンや大手互助会が商圏に進出してきて、泥沼の価格競争に巻き込まれている……」皆様の地域でも、このような課題に直面されていませんでしょうか。葬儀の小規模化、そして競争の激化という「脅威」が押し寄せる今、ただ従来通りの営業を続け、場当たり的な値下げ対応をしているだけでは、じり貧になってしまうのは火を見るより明らかです 。
しかし、絶望する必要はまったくありません。
「今こそ、自社の強みを活かした攻めの投資を行い、競合を突き放す最大のチャンスです」
なぜなら、国や自治体は今、中小企業の「生産性向上」や「賃上げ」を強力に後押しするために、過去最大規模の予算(中堅・中小あわせて対策規模は1兆1,300億円)を投じて、補助金・助成金の支援体制を敷いているからです 。
「投資が必要なのはわかっているけれど、手元資金に余裕がない……」
そう思われた経営者様、ご安心ください。
返済不要の国からの資金
――すなわち「補助金・助成金」を賢く活用すれば、自己負担を最小限に抑えながら、劇的な経営改革を断行することが可能になります 。
貴社の経営の命運を分けるかもしれない内容です。
ぜひ最後までじっくりとお読みいただき、明日からの経営のヒントにしてください。
〜葬儀社経営者が絶対に勘違いしてはならない違いとは?〜
まずはじめに、意外と多くの経営者様が混同されている「補助金」「助成金」「融資」の違いについて、頭を整理しておきましょう 。ここを間違えると、資金計画そのものが破綻してしまいます。
補助金(主に経済産業省や中小企業庁が管轄)は、あらかじめ採択件数や予算が決まっています 。そのため、申請すれば誰もがもらえるわけではありません 。
提出した「事業計画書」が外部の専門家によって審査され、優秀な計画だと認められて初めて「採択」されます 。いわば、国費を勝ち取るためのビジネスコンテストです。
助成金(主に厚生労働省が管轄)は、雇用や労務環境の改善、賃金アップなど「人」に関係する取組を支援するものです 。こちらは補助金とは異なり、国が定めた要件を満たしていれば、高い確率で支給されます 。
補助金も助成金も、一部または全額の経費が国から支援され、「返済する必要がない」という点が最大のメリットです 。金融機関から借り入れる「融資」は全額返済義務がありますので、財務健全性を高めるためには補助金の活用が不可欠です 。
そして、ここからが重要なアドバイスです。
「自社にピッタリの補助金が網羅されている、ここだけ見れば完璧という国のサイトはないか?」とよく聞かれます 。
経済産業省の「ミラサポplus」などの検索サイトはありますが、全国の市区町村レベルの細かい補助金まで完全に網羅されているわけではありません 。
だからこそ、我々のような「葬儀業界の特性を熟知した専門家」のアドバイスを受けながら、自社が使える最適な制度をピンポイントで見極めることが、成功への最短ルートとなるのです。

〜葬儀社のための具体例〜
では、具体的に葬儀社様はどの補助金を狙うべきなのでしょうか?
無数の補助金の中から、私が葬儀社のビジネスモデルに合わせて太鼓判を出せる3つの主要補助金を、具体的な活用アイデアとともにご紹介します。
従業員数の少ない小規模な葬儀社様(常時雇用する従業員が5人以下など)が、地元の販路開拓や認知度アップに取り組むための補助金です 。
葬儀社での具体的活用例:
💡「一日葬」や「家族葬」に特化したリニューアルチラシの作成とポスティング
💡火葬待ち長期化に対応するための「安置設備の拡充・保冷庫の導入」
💡親族が快適に過ごせるようにするための「ホールの改装・内装工事」
💡AI対策を行った「自社ホームページの新規制作・改修」
💡会館の入り口に設置してイベント案内や供花注文を促す「デジタルサイネージの設置」
手軽に使えて採択率も直近で48〜51%前後と、約半数が採択されているため、まずはここからチャレンジするのがおすすめです 。
今、経済産業省が最も力を入れている、人手不足解消のための最新補助金です 。生活関連サービス業(冠婚葬祭業)向けの省力化投資プランも策定されています 。
葬儀社での具体的活用例
【一般型:システム構築等】
💡会場照明や音響の自動制御システム構築(セレモニー中のオペレーターを無人化・省力化)
💡会館の無人案内システム・タッチパネルの導入
💡スマート葬儀のような「見積・受発注システム」「葬儀管理システム」の構築・導入
💡遠方の親族も参列できる「オンライン葬儀設備・配信システムの導入」
【カタログ注文型での具体的活用例(登録製品の購入)】
💡通夜振る舞いや精進落としの調理を効率化する「スチームコンベクションオーブン」や「自動フライヤー」の導入
💡広い会館の清掃を自動化する「清掃ロボット」の導入
特に一般型システム関連は、単価50万円以上の設備投資が対象となりますが、スマート葬儀と組み合わせることで、事務作業の手間を劇的に削減しつつ、国の補助(1/2〜2/3)を受けられます 。
葬儀社のバックオフィス(事務・労務・会計)をデジタル化し、業務効率化・DXを推進するための補助金です 。
葬儀社での具体的活用例:
💡「シフト自動作成ツール」や「勤怠・労務管理ツール」の導入(夜間対応や不定期なシフト管理の最適化)
💡「顧客対応・販売支援クラウドシステム(CRM)」の導入
💡手書きの葬儀申込書や供花注文書を瞬時にデータ化する「AI-OCR」の導入
スマート葬儀の持つ「オンライン供花注文」「顧客管理機能」などは、まさにこのデジタル化補助金の思想に合致するITツールです 。
〜地方の老舗葬儀社が、補助金で大逆転したストーリー〜
ここで、私がコンサルタントとして関わった、ある地方の老舗葬儀社様のリアルな「戦略シナリオ」をご紹介しましょう 。
その会社は「創業100年の歴史があり、地域住民からの信頼は抜群、若手スタッフも多い」という強い強み(Strength)を持っていました 。しかし一方で、「遺体安置施設や付き添い施設が足りず、火葬場待ちが長期化する中で、お客様を他社にとられてしまう」という致命的な弱み(Weakness)を抱えていたのです 。さらに、葬儀の小規模化で単価が下がり続けるという脅威(Threat)にも晒されていました 。
そこで私は、経営者様と一緒に「事業再構築」の計画を練り上げました 。ちょうど商圏内に、高齢化の煽りを受けて廃業したビジネスホテルがあったのです 。
【小泉が提案した具体策】
国の大型補助金を活用して、この「廃業ホテル」を丸ごと買い取り(M&A)、買収 。ホールの増築とあわせて、「最新の遺体安置設備と、遺族がホテルのように快適に付き添える完全個室の安置・付添施設」へ一挙に改装しました 。
この戦略は大成功を収めました 。
「自宅での遺体安置が難しい」「火葬待ちの間も、最期まで故人に寄り添いたい」という現代の顧客ニーズに完璧に合致したためです 。結果として、他社との価格競争から完全に脱却し、付加価値による「単価向上」と「商圏拡大」を同時に実現することができました 。
このように、補助金をもらうためだけに無理な計画を立てるのではなく、「自社の強みを活かし、地域の課題(機会)を捉えるための手段として補助金を組み込む」こと 。これこそが、私、小泉悟志が最も得意とするコンサルティングアプローチであり、審査員を唸らせる計画書のベースとなるのです。
葬儀社が今狙うべき補助金の種類と、実際の投資戦略についてお伝えしました。
しかし、どれだけ素晴らしい投資計画があっても、国に申請して「採択」されなければ1円も入ってきません 。
次号では、「人間が審査している」という現実を踏まえた、採択率を跳ね上げる計画書の書き方
✅ChatGPTなどの生成AIを活用して、わずか1分で数千字の計画書を作る最先端テクニック
✅多くの葬儀社が陥り、補助金が1円も支払われなくなる「賃上げ特例」の致命的な罠
という、より実践的で「絶対に失敗しないための攻略法・防衛策」を徹底解説します。
それでは、次回も楽しみにお待ちください!
著者プロフィール

小泉 悟志 (こいずみ さとし)
株式会社エンディング総研株式会社コンサルティングファーム代表取締役/中小企業診断士1969年生まれ。銀行勤務後、ベンチャー企業の取締役を数社経験。㈱エポックジャパン(現:㈱家族葬のファミーユ)取締役を退任後、葬儀業界専門コンサルタントとして独立。施行件数のアップ、プランの見直しによる施行単価の改善などによる売上げ拡大を強みとする。その支援先は10~50名規模が多く、また近年は葬
儀社のM&A支援も多数手がける。

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