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業務負担を軽減した実績が 新火葬場でのシステム導入に追い風 

公開日時:2025/10/21

    【スマート火葬予約シスム導入鼎談】上原拓麿氏[(公財)いしかわ斎苑 運営管理統括]×嵩元なおも氏[沖縄市議会議員]×白石和也[LDT㈱ 代表取締役CEO]

    ※この記事は月刊フューネラルビジネス2025年6月号の掲載内容を元に加筆修正した内容になります。

    LDT㈱は、顧客管理システム「スマート葬儀」を軸に葬祭業界のDXを推進しているが、火葬場向けにもオンライン火葬場予約システム「スマート火葬予約」を提供している。

    今回はLDTの白石和也が、「スマート火葬予約」を導入したばかりの「いしかわ斎苑」(沖縄県うるま市)の運営管理統括・上原拓磨氏、うるま市に隣接する沖縄市議会議員・嵩元(たけもと)なおも氏と鼎談。

    スマート火葬予約や沖縄市における新火葬場プロジェクト、沖縄の葬儀・墓地事情などについて伺った。

    2027年度内に新火葬場で予約システムを導入予定

    白石 「いしかわ斎苑」さん、「スマート火葬予約」を導入いただきありがとうございます。全国的にみても民間運営の火葬場は珍しいですね。

    上原 約3年前に事業を承継しまして、公益財団法人として運営しています。スマート火葬予約は、葬儀社からも「わかりやすく使いやすい」と好評をいただいております。

    以前は火葬予約の受付時間が8時半から17時だったため、前日の夜に亡くなった方の予約を取りたい葬儀社からの電話が開始時間に集中し、多いときは100件ほどになりました。

    今回の導入により、24時間・オンライン受付となったことで電話対応が不要になり、業務負担が大幅に軽減されたので助かっています。

    事業承継以降、さまざまな業務改善を講じたことで火葬件数が伸びてきましたが、今後も利用者様が使いやすい施設を目指していきます。

    白石 ありがとうございます。それでは嵩元様、沖縄市で新たな火葬場の建設を計画中と伺いました。全国的に火葬場が逼迫しているなか、業務効率化や施設保守・更新は必要不可欠です。新火葬場の具体的なスケジュールはどうなっていますか。

    嵩元 27年度内の供用開始へ向けて動いております。今年度中に管理運営の各種業務の整理を行ないます。火葬場業務の効率化・施設整備についても協議しますから、スマート火葬予約の導入も視野に入れた検討になるでしょう。その後は26年度に工事発注から整備、併用準備の段階に入っていく予定です。

    業務効率化、システムの更新は火葬場の共通課題

    嵩元 いしかわ斎苑様はスマート火葬予約を導入されましたが、導入前はどのように受付をしていましたか。

    上原 以前は電話による受付でした。葬祭業界では電話でのやり取りに慣れている人が多く、事業承継するにあたって以前のやり方を引き継いでいました。ただ、このやり方では業務負担が大きすぎると感じ、予約システムを検討していたところ、LDTさんのシステムをWebで見つけて資料請求し、打合せを経て導入しました。

    白石 多くの自治体で、火葬予約はいまだアナログです。たとえば9時から17時受付の場合、身内に不幸があって急いで帰省しても日程が決まるのは翌朝。多くの方々が困り、オペレーションの負荷も大きい。こうした問題について、議員の方々にご認識はあったのでしょうか。

    嵩元 実は沖縄市でも隣のうるま市にならって、おくやみ相談窓口を一元化しようという話がありました。ところが、議員は問題意識が薄い。業務効率改善よりも、「まずは火葬炉をふやすべき」というような認識なのです。

    上原 広域連携において市町村間の調整が長引いた例がありましたが、新火葬場の27年度完成は現実的ですか。

    嵩元 宜野湾市と北谷町はごみ処理事業を共同で行ない、北谷町は沖縄市とともに「嘉手納基地に関する三市町連絡協議会」(三連協)のメンバーと、4市町村はさまざまな事業で連携しているので問題はないと考えています。

    白石 周辺からの反応はいかがですか。

    上原 たとえば、現在の火葬場を運営する事業者さんの扱いはどうするのか、建設予定地が現在の火葬場と同じエリアですから住民反対にはどう対応するのか、といった疑問が出ているようです。

    嵩元 運営事業者さんについては、市として「丁寧に協議を続けていきます」としています。また一部住民に不満があると聞いていますが、いまのところ表立った反対活動や反対要請はありません。それよりも、市民からは「火葬場を早くつくってほしい」という声のほうが圧倒的に多いのです。

    上原 なるほど。実は、いしかわ斎苑では、新火葬場計画が公表される前に火葬炉の増設を検討していました。それで、周辺自治体さんに「火葬場でお困りであれば、炉を増設するのでどうですか」と提案しましたが、沖縄市が「行政主導で火葬場を進めたい」ということになったので増設計画を中断しています。私どもは、いつでも自治体さんに協力できる体制を整えておりますので、必要の際はぜひご相談いただければと思います。

    沖縄ならではの地域性に応える墓じまいサービスも模索

    嵩元 沖縄の伝統的なお墓である亀甲墓ですが、場所を取り維持管理がたいへんと墓じまいの相談がふえています。市としても、今後墓じまいに関するサポート補助を考える必要が出てくると思いますが、LDTさんの幅広い知見からアドバイスをいただけますか。

    白石 LDTでは「やさしいお葬式」というポータルサイトで葬儀・お墓や納骨堂の紹介だけでなく、墓じまいについても全国の取引先と連携しています。よく聞く話ですが、寺にお墓があるが、墓守ができないので引き払いたいものの、なかなかできない。どの寺院も、離檀は防ぎたいという意向もあると思います。ただ沖縄では寺院が少なく、檀家制度が本土ほど機能していませんから、寺院側の事情というより費用でしょう。お墓は建てるにも墓じまいするのにも費用がかかりますが、亀甲墓を建てるのにはどれくらいかかるのでしょうか。

    上原 だいたい500万円くらいと聞きます。

    白石 それは高額ですね。東京都心部の一等地のお墓に匹敵する額です。撤去するときの平米当たりの作業単価もかかりますし、墓じまいはハードルが高いですね。また、ご遺骨の行き先として都心部では納骨堂や霊園内の合祀墓、海洋散骨といったケースがふえていますが、沖縄ではそうした行き先はあるのでしょうか。

    嵩元 以前からテレビCMで見かけますが、納骨堂はまだまだ少ないのではないでしょうか。

    上原 50歳代より下の世代くらいからは、「大きい墓なんてもたない」という方がふえていると思います。

    白石 沖縄は本土とは葬祭習慣が異なりますから、墓じまいをした後も多様であるように思います。したがって、費用以外の葬祭サービスや埋葬環境の提供が求められるのではないでしょうか。当社は全国の事業者を紹介できるので、さまざまな相談に対応させていただくことが可能であると考えています。本日は現場のリアル、行政側の問題意識など幅広い分野にまたがり、たいへん勉強になりました。この鼎談が葬祭現場と行政の橋渡しとなるべく、いいご縁になると幸いです。ありがとうございました。

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