公開日時:2025/10/21
関連事業社対談
【葬儀周辺サービス紹介対談】豊福和人氏[みどり生命保険㈱ 代表取締役社長]×白石和也[LDT㈱ 代表取締役CEO]
※この記事は月刊フューネラルビジネス2025年9月号の掲載内容を元に加筆修正した内容になります。
LDT㈱は、葬祭業界に特化した顧客管理システム「スマート葬儀」の提供を通して葬祭業界のDXを推進するなどエンディング領域で幅広く事業展開している。同社はデジタル化のみではなく、その他の分野でも葬祭業界への貢献を模索する。今回は、葬儀費用の不安を解消するための商品を展開する生命保険会社・みどり生命保険㈱の豊福和人社長と対談。同社の保険商品の特徴、生命保険と葬儀の親和性、今後の展望などについて伺った。
白石 貴社の創業からの経緯を教えてください。
豊福 当社は2008年に創業、今年で17年目になります。当初は互助会㈱ベルコ(齋藤斎社長)の会長を務めている齋藤秀市氏が発起し、互助会2社の出資で設立しました。葬儀というものは、故人様にとって人生の最後の場面、尊厳をもってしめやかに見送ることができるように、できるだけお金の負担をなくすことができないかというのが最初の発想だったといいます。ご葬家の負担をできるだけ減らしたいという思いから当社が誕生し、保険金を葬儀費用等に役立ててもらう商品を販売しております。
白石 主力商品についてご説明いただけますか。
豊福 主力商品は無選択型終身保険「メモリアルⅢ」です。無選択型ですから、加入意思があれば現在病気療養中の方でも、入院中の方でも、がんの治療中の方でも加入できます。万が一のときの保障が一生涯継続し、保険料も比較的安価、掛け捨てではなく解約払戻金があります。一方で病気死亡の場合、加入から3年間は既払い込み保険料の返金といった制限はありますが、全体的にはお客様に非常に優しい商品だと思います。
私自身もともと保険会社の出身で、この6月に社長に就任したばかりなのですが、終身保険は必ず支払いが発生するというなかで、それを無選択で引き受け、保険料も比較的安く商品化した優れものだと思います。
白石 創業以来、保険の件数は何件くらいでしょう。
豊福 24年3月決算で保有契約は約28万件、収入保険料が約146億円、収入保険料ベースで前年比6%程度の伸びです。これは保険金額80万~200万円の4つのプランのうち、幅広く役立てるように積極的に200万円プランを販売してきた結果だと考えます。保険金支払いは約37億円で、前年と比べて10%程度伸びています。保険会社として安定経営をしていかなければならない義務があるのですが、一方で設立の趣旨が葬儀費用等に役立ててもらうことですから、保険金を支払うのも大事な責務。そこが伸びているのは、「お客様のために役に立つ、そしてそれが葬儀社さんの売上げの役に立つ、そしてご遺族の安心にもつながる」という当社の創業の精神がまさしく生きているのだと思います。
白石 創業の思いを体現されているのが素晴らしいですね。私たちもアライアンスを組ませてもらい、スマート葬儀の導入会社などに紹介させていただいておりますが、互助会の枠を超えて広がりをみせていますね。
豊福 ありがとうございます。LDTさんから1社ご紹介いただき、専門葬儀社の代理店は現在22社となりました。
白石 貴社商品・サービスは、葬儀社とアライアンスを組むことでどのようなシナジーが発揮されるのでしょうか。
豊福 当社の商品はもちろん葬儀社さんの売上げにも寄与するわけですが、同時にご遺族の満足感にもつながるため、保険契約や後口契約に至る方が多いのだと思います。
当社が提供するサービスの1つに、「ご葬儀費用充当サービス」があります。これは、保険金をお客様の指図により葬儀社に直接支払う仕組みです。通常、死亡保険金は受取人に手続きをしていただき、保険会社からお客様に支払われます。そのうえでお客様が葬儀社さんに葬儀費用を支払うのですが、多くの場合、保険金の受取り手続きでは除籍謄本の提出など、さまざまな書類関係の取り付けで時間がかかるものです。当社の「ご葬儀費用充当サービス」では、死亡診断書と保険金受取方法の意向確認書の2つがあれば支払いができます。1つの例ですが、1月26日に被保険者が亡くなられて、2日後の28日に会館への支払いを通知しました。無選択型終身保険なので、病気を申告していなかったなどの告知義務違反を見つけるための調査のような、さまざまな審査が不要だからこそできることです。保険金から葬儀費用が直接充当されることがわかればご遺族は安心ですし、葬儀社側もご遺族に対していらぬ心配をせずにさまざまな提案ができるようになります。
白石 素晴らしいですね。長年培ってきた葬儀社さんとの関係性があるからこそできることだと思います。85歳まで加入できる、がん罹患中、入院中、手術直後でも加入できるというのは非常にインパクトがありますね。エンドユーザー様や葬儀社様の反響はいかがですか。
豊福 認知症などで契約能力がない場合を除き、お断りすることがほとんどない商品ですから、葬儀社さんとしても安心して勧められるのではないでしょうか。お客様の目線でも、少額短期保険のように保険料が上がることがなく、支払いが発生するまで保障が続き、加えて掛け捨てでもないので、安心して加入できると思います。
ご葬儀費用充当サービスについては、「夫が急逝し、お金の面も含めていろいろなことで頭がいっぱいのときに、葬儀費用は保険金で支払うことができ助かりました」「葬儀の打合せのときに、保険金を葬儀費用に充当すると清算支払いがゼロになるとわかり、心置きなく葬儀をとり行なえました」といった多くの感謝の言葉をいただいております。
白石 葬祭業界だけではなく、医療や介護領域でも需要が高いと思われるのですが、どのような業界をターゲットとしているのですか。
豊福 葬儀社がメインであることは今後も変わらないと思っています。もちろん、おっしゃられたように医療や介護領域は葬儀と隣り合わせですから、ご案内するのも1つの手でしょう。医療・介護、葬儀の分野で共通した課題の1つとして「おひとりさま」がありますが、当社では「おひとりさまサービス」をはじめています。ご承知のとおり、生命保険は保険金を受け取る人がいないと保険商品として成り立ちません。
6月からはじめた「おひとりさまサービス」は、「受取人がいない」「親族が海外に住んでいてなかなか手続きができない」、あるいは「親族はいるが、その親族には事情があり手続きを頼めない」といった方のために、受取人をグループ会社のみどり信託に設定し、みどり信託が死後事務受任法人として、意向に沿った死後事務手続きを進めるサービスです。
最近、死後事務委任契約が目に見えてふえています。その1つの方法として、生命保険を活用してその保険金を信託会社が受け取り、死後事務が取り扱える仕組みをつくったわけです。現在、さまざまな法人から引き合いがきており、将来的に広がっていく領域だと感じています。
白石 葬祭業界だけでなく、その前段階の医療・介護にも相性がよく、多くのビジネスアイデアがあると感じましたが、今後の展開や展望などをお伺いできますか。
豊福 互助会が母体となっている保険会社という強みを活かして、葬儀費用の準備を無理なく続けられる商品を今後とも提供し、広くお客様に認知していただきたいと思っています。おひとりさまサービスなどの新しいソリューションをみてもわかるとおり、保険会社だからできることはまだまだあります。当社は独自の分野で、独自の商品・サービスを設計・提供し、今後も社会の役に立つ会社でありたいと思っています。現在、ご葬儀費用充当サービスなどの「あんしん」サポートにいっそう磨きをかける、あるいは新たな派生商品をつくれないか、とさまざまな検討を行なっています。
白石 貴社の代理店になるための条件・基準などはありますか。
豊福 特にはございません。既存代理店・エリアとの競合も気にしていません。これは、健全な競合で互いにサービスを磨き、より社会に貢献することができるようになると考えるからです。
白石 なるほど。競合してこそ磨かれるそれぞれの長所というのは確かにありますね。本日はありがとうございました。
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