公開日時:2025/9/25
【終活サービス紹介対談】竹田恒泰氏[㈱前方後円墳 代表取締役]×白石和也[LDT㈱ 代表取締役CEO]
※この記事は月刊フューネラルビジネス2025年10月号の掲載内容を元に加筆修正した内容になります。

LDT㈱は、葬祭業界に特化した顧客管理システム「スマート葬儀」の提供を通して葬祭業界のDXを推進するなどエンディング領域で幅広く事業展開している。デジタル化以外の分野でも葬祭業界に貢献したいと考えるLDT・白石は、旧・竹田宮家出身の作家・政治評論家であり、㈱前方後円墳の代表取締役として「前方後円墳型のお墓」を提唱する竹田恒泰氏との対談を企図。開発の経緯、前方後円墳型のお墓とは、永代祭祀・供養と維持管理のスキーム、葬儀とのトータルサービス構想などについて伺った。
白石 前方後円墳型のお墓は、樹木葬以降の供養ニーズに一石を投じる革新的な取組みですが、事業として形にしようと決意された経緯を教えてください。

竹田 私の家の場合、父方がみな1人1基の古墳に入っています。父の墓をどうしようかと考えたとき、そのようなものをつくりたいと霊園さんや石材店さんと話しているうちに、周囲の人たちも賛同するようになりました。いまは墓じまいや樹木葬が注目されていますが、「日本人にとっていちばんしっくりくるのは前方後円墳ではないか」「このような集合墓があったら、多くの方が喜ぶのではないか」と考えました。集合墓にすれば樹木葬と同程度の価格帯で提供でき、仏教伝来前の日本固有の信仰である神道のお墓を多くの方に知ってもらえたら、新たな選択肢になるのではないかと。お寺の敷地内に古墳をつくり、神式と仏式で祭祀・供養をしていくという神仏習合の非常にいい形のイメージが最初にあり、それがお寺や神社、また地域の活力につながれば、と考えたのが事業化のきっかけです。
白石 具体的にどのようなお墓なのでしょうか。
竹田 もちろんヤマト王権(3世紀後半~)そのままではなく、多くの方が入れるようにアレンジを加えています。今年3月に「野田ほたるローズガーデン(千葉県野田市)」、5月に「高松ほたるローズガーデン(香川県高松市)」の一角で販売を開始しましたが、いずれも水濠を伴った墳丘の全長17.5mの前方後円墳で、埋葬区画としては永代祭祀墓が1人用438区画・2人用1,338区画、プラス合祀墓の規模です。全長約20mで、古墳内の石室や、合祀墓がしっかり確保できれば、1万~3万柱のご遺骨を受け入れることができるのです。大切にしたいのは古墳時代の人々がどんな気持ちで、どんな作法で故人を弔ったのか。古墳文化を顕彰する古墳墓をつくるため、ヤマト王権が成立した頃の古墳をモチーフとし、当時の中心だった円筒埴輪を配置しています。副葬品として、当時の古墳から出土した鏡・剣・勾玉の三種の神器を忠実に再現しました。もともと三種の神器は、亡くなった方の御霊の安寧を祈り神器として副葬したものですから、どの古墳から出土したものをモデルにしたらいいかを考古学者と相談し、当代最高の職人さんたちに本物に近い形で再現していただきました。
白石 販売開始後の反響も大きいようですね。千葉や香川では、10日間で1,600人もの購入希望者が集まったと伺いました。希望者はどのような層でしょうか。
竹田 一定の反響はあると思っていましたが、予想以上でした。3か所目以降の開設情報の連絡を待つ希望者は、全国で6,000人以上にのぼっています。現在、全都道府県での展開を視野に、さまざまな霊園さんと交渉しながら事業化を進めているところです。購入希望者は非常に多様です。50~70代が最も多いのですが、ご両親が契約したのを機に「私も入りたい」と検討される30代の方もいらっしゃいます。墓じまいで検討される方は非常に多いですね。千葉と香川に関しては永代管理費込みの合祀墓を古墳内に併設していますので、墓じまいでご遺骨は合祀墓に、自分たち夫婦は古墳墓の区画を購入してそこに入るといった形です。また、「おひとりさま」も多い。そうした方は、やはり永代祭祀・供養が付いているお墓を求める傾向にあります。 古墳墓の反響で、同じ霊園の一般墓も売れはじめています。一般墓は祭祀や管理、その費用面で継承者がいることが前提となりますが、「墓じまいプラン付き一般墓」として墓じまい先を前方後円墳に確保しておくことで、継承が心配な方も購入できるようになります。
白石 前方後円墳型のお墓があることで、その霊園自体の付加価値も上がりますね。

竹田 従来の集合墓とは異なった試みとして、7月には野田市の神社さんで「古墳同窓会」を開催しました。同じ古墳墓を契約した人同士が飲食をともにし、懇談する会です。同じ古墳に入る人が元気なうちに交流をもち、亡くなる日まで前向きに生きられる、そのようにつながるお墓にしたいという想いから企画し、血が通った温かさを感じる機会だったと非常に好評でした。
白石 永代祭祀・供養のスキームや長期的な維持管理は、どのように設計されていますか。
竹田 まず、永代祭祀は地域で知名度が高く、歴史のある神社さんを選び、年2回、春と秋の御霊祭をとり行なってもらいます。永代供養は霊園のオーナーであるお寺さんにしていただき、神道と仏教の両方で祭祀・供養が行なわれることになっています。維持管理については、霊園が継続していくことが重要です。古墳墓の場合、有期・無期の区画を用意しており、有期は期限がきたらご遺骨を同じ古墳内の合祀墓へ移します。合祀墓に余裕をもたせて、ずっと受け入れていくようにすれば、古墳墓を長期的に守っていくスキームが立てられると考えています。
白石 全国で100基の古墳墓をつくる計画と伺いましたが、どういった霊園と組んでいかれるのですか。
竹田 霊園のオーナーは多くが仏教寺院です。仏教に神道に対して寛容な宗派と厳しい宗派がありますが、香川の場合は、住職さんが敷地内に神道の施設をつくり、鳥居を建て、定期的に神主さんが来ることを了承されました。よって、宗旨・宗派は関係なく、霊園の経営者様が当社の価値観に共感し体現していただけるところなら展開が可能だと思います。
白石 全国の霊園、あるいは葬儀社と連携して古墳墓を展開する際、どのような役割分担を想定されていますか。
竹田 当社は古墳をつくるノウハウが豊富ですので、古墳墓の企画・設計・施工から、三種の神器や副葬品、鳥居、埴輪などの制作まで総合的なプロデュースができます。また、Web上の販売サイト「古墳の窓口」や地域住民へのメルマガを充実させ、加えて私自身も現地説明会に伺ってプロモーションを行なうなどして販売力を高めています。条件しだいで築造費を当社が全額負担するケースもあり得ますし、実際の管理・運営にも対応できます。先に申し上げたとおり、古墳墓は従来の集合墓に比べ、格段に多くのご遺骨を受け入れられます。土地の有効活用ができますので、面積が広い霊園であれば、古墳墓を検討していただく価値はあると思います。当社の古墳墓が広まると、いままで以上に神葬祭を選ぶ人がふえ、神葬祭が施行できる葬儀社さんの付加価値が向上すると考えられます。そうなれば、そうした葬儀社さんに古墳墓を生前契約した方を積極的に紹介できるようになる。将来的には、たとえばおひとりさま向けに、生前契約のもとで亡くなったときのお迎えから通夜・葬儀、そして古墳墓への埋葬まで、一貫したエンディングサービスを提供することも可能です。そのためにも、今後はさまざまな形で葬儀社さんとの連携を考えていきたいですね。
白石 最後に、古墳墓を全国展開していくことで実現したいビジョンについて教えてください。

竹田 今秋、大阪府大東市で古墳墓の販売を開始しましたが、「住みたくなるお墓」「環境も含めてワクワクするお墓」を提供していくのが使命であると考えています。現代は不安な時代だからこそ、明るく自分の最後を考えながら納骨される日まで賑やかな日々を送れる、そのようなお墓をつくっていきたいと思います。前方後円墳型のお墓も、その1つの取組みであります。
白石 本日はありがとうございました。
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