エンディング業界のこれからを考えるメディア

市営葬の拡大がベース 会館開設後には「スマート葬儀」導入へ 

公開日時:2025/12/3

    【システム導入事例対談】山田浩貴氏[㈱華の誠 代表取締役]× 白石和也氏[LDT㈱ 代表取締役CEO]

    ※この記事は月刊フューネラルビジネス2025年12月号の掲載内容を元に加筆修正した内容になります。

    LDT㈱は、顧客管理システム「スマート葬儀」の提供を通して葬祭業界のDXを推進するなどエンディング領域で幅広く事業展開している。今回はLDTの白石CEOが大阪府茨木市を本拠とする専門葬儀社㈱華の誠・山田浩貴社長と対談。華の誠が導入したLDTの葬儀ポータルサイト「やさしいお葬式」、人材プラットフォーム「スマート葬儀ジョブ」、導入検討中の「スマート葬儀」について、同社の現状や今後の展望などを伺った。

    「取捨選択できる損をしない見積り」「行政とのつながり」を武器に差別化

    白石 創業から現在までをご説明いただけますか。

    山田 華の誠は2020年7月、私が大阪府内の大手葬儀社で約11年間勤務したのち独立して創業した会社です。大手葬儀社では充実した日々を送りましたが、11年の間に一般葬から家族葬や一日葬、直葬といった形へとお客様のニーズが大きく変わってきました。そうしたなか、葬儀現場の人間として「お客様にもっとこんな提案ができれば……」という思いを抱いたのが創業のきっかけです。創業当初は1人で運営し、5年を経たいまは従業員が私を除いて3人、年間施行件数は約300件。最近は華の誠としての色も出てきたところです。

    白石 激戦区である大阪で、貴社は会館をもたずに事業を伸ばしていますが、どのような戦略で競合他社との差別化を図っているのでしょうか。

    山田 創業時に感じたのは、「まずは他社との差別化を図らなければ」ということでした。大阪では低価格を謳う個人事業主の葬儀社が多く、パックプランでの価格競争が主流になっています。私はこの料金の不透明さに着目しました。私が葬祭業界に入った頃、世間のお葬式のイメージはあまりよいものではなかったと思います。それがいまでは葬儀社をWebで検索するのが当たり前になり、毎日のように葬儀社のテレビCMを目にし、葬儀が身近になってきた風潮があります。それでも、私のなかでは「まだまだ不透明」と思うところがあったのです。 

    そこで、私が考えたのが「取捨選択できる見積り」でした。パックプランには、お客様によっては必要のないものがたくさんあります。たとえば、故人のお気に入りだった洋服を着せているのに、パックプランには旅装束が入っている。「必要ないからそのぶんを料金から引いてください」とお願いしても、パックプランを謳う業者さんの多くは引いてくれません。そこで当社は物品1つひとつの料金を明示し、1円単位でお客様に取捨選択していただき、お客様が損をしない見積りを実現しています。

    大阪では取捨選択のできる見積りを提示する業者さんはほぼいないので、この部分はお客様からの高評価につながっていると思います。 もう1つ、当社の最大の武器は行政とのつながりです。現在、行政の取扱業者として茨木市、摂津市、箕面市の3市で市営葬儀・規格葬儀を、門真市、守口市、大東市、四條畷市の4市で組合葬儀のサービスを提供。市営葬儀・規格葬儀・組合葬儀は年間施行件数の7割弱を占めています。自治体が定めた明確な料金体系は当社の「取捨選択できる見積り」との親和性が高いため、積極的に取り組む価値があると考えました。行政が提供する葬儀は、お客様にとって安心感や信頼感が高く、当社はその取扱業者であることから厚い信頼を寄せられていると感じます。おかげさまで、大手の葬儀クチコミサイトで「大阪府の葬儀」においてクチコミ1位を獲得しました(2025年4月時点)。

    白石 競合がパッケージ化を進めるなかオーダーメイドでお客様ニーズに応えていること、行政とのパイプが強く信頼関係があることが支持される要因というわけですね。

    「やさしいお葬式」でネットワーク形成「スマート葬儀ジョブ」で人材獲得

    白石 貴社には、葬儀ポータルサイト「やさしいお葬式」、葬祭業界専門の人材紹介サービス「スマート葬儀ジョブ」を導入いただいており、今後、葬祭会館システム「スマート葬儀」の導入もご検討いただいています。それぞれどういった点をご評価くださっているのでしょうか。

    山田 やさしいお葬式については、大阪府下全域と近畿圏の一部で対応しており、場所にとらわれることなくお手伝いさせていただいております。また、地域によっては一部の葬儀社しか使うことができない施設もありますが、当社は利用できる式場が多数あるため、双方にとって取りこぼしすることなく施行につなげられると考えています。やさしいお葬式は登録葬儀社数も多いので、そのネットワーク構築の一助になれることを期待しています。 

    スマート葬儀ジョブは、今後事業拡大を進めるにあたり、積極的に活用していきたいと考えております。葬祭業界は人材の確保がむずかしい業界であると認識しています。ですから従来の人づての紹介による採用では、雇用条件など細かな部分で不安が残ることがありました。

    そんなとき、葬儀スタッフや生花業者といった方々を紹介・斡旋いただければ、と考えていたタイミングでLDTさんからお話をいただき導入しました。スマート葬儀ジョブは、当社と求職者との間で条件を細部まで丁寧なすり合わせができ、大きな安心感につながっています。

    あとはスマート葬儀ですが、今後の事業スキームとして、市営葬儀・規格葬儀は先にあげた7市以外にも府下にたくさんありますから、まずはそことのネットワークを広げていく。その後、十分な余裕ができたら葬祭会館をもとうと思っています。

    白石 そのときこそ、スマート葬儀の出番ですね。

    山田 はい。現状の従業員数・件数では売上げなどの管理は私1人の作業で十分なのですが、市営葬儀・規格葬儀の自治体がふえて、施行件数がふえ、そして葬祭会館を開設するとなったときには、それに対応できるシステムをつくる必要があります。そのタイミングで、スマート葬儀は大きな力になるのではないかと思います。

    白石 ありがとうございます。現状、スマート葬儀ジョブを通しての人材紹介は、業界経験者と未経験者が半々といったところです。即戦力として経験者を求める葬儀社さんもあれば、よそのやり方に染まっていない未経験者を求める会社さんもありますので、業界内外のよりいい人材を紹介できるのが強みだと思っております。

    スマート葬儀もリリース以来、多くの葬儀社様が使用され、フィードバックを頂戴することで、クオリティの高いシステムに育ってきたと感じています。ぜひご導入いただければ幸いです。

    市営葬儀・規格葬儀・組合葬儀を軸に 自社会館の開設も目指す

    白石 最後に今後の展望などを教えてください。

    山田 現在、少しずつではありますが、各市の市営葬儀・規格葬儀・組合葬儀の認知が上がり、受注率も上昇しています。華の誠という社名も知られるようになってきました。先に話しましたが、今後も府下全域の自治体で市営葬儀・規格葬儀の取扱業者となるチャンスがあれば、積極的に参入していきます。また、当社は葬祭会館をもつ葬儀社さんとは違って、会館がないなかで行政と組んで事業を拡大してきたわけですが、いずれは自社会館を建てることを目標にしています。市営葬儀・規格葬儀の件数をふやすことで、市民の方々に「華の誠っていろいろな地域にあるよね」と認知されるようになり、運転資金もある程度確保できれば、3年後には葬祭会館を開設し、一層の地盤固めをしていきたいと思っています。

    白石 拡大戦略にM&Aを取り入れている葬儀社も多いですが、山田社長はM&Aについてどう思われますか。会館をもっている葬儀社をM&Aして会館を取得するのも視野にあるのでしょうか。

    山田 M&Aについては、資金があればチャレンジしたいと思います。ただ、会館取得のためのM&Aについては考えていません。創業して5年が経ち、ある程度、当社の色や型ができてきました。M&Aでその「色」が少し薄れてしまうのではないかと思うのも事実です。ですから、当社がもしM&Aを実行するのであれば、周辺業種の生花業者さんや仏壇店さん、石材店さん、献茶や司会などスタッフ関連、遺品整理といった会社をM&Aして、グループとして拡大していけたらいいのではないかと思っております。

    白石 会館構想も含め、貴社の今後が楽しみですね。本日はありがとうございました。

    葬儀オペレーションを、もっと効率化。
    葬儀運営を、もっとスマートに。

    葬儀管理システム・葬祭管理システムのクラウドサービスなら『スマート葬儀』。見積書作成・請求管理・施行業務・供花受注などを一元管理し、 葬儀オペレーションを効率化します。
    シェアNo.1・導入600会館以上・月額1.9万円から。

    サービスサイト

    open_in_new

    Copyright 2026 AgeRobotics Co.,Ltd