公開日時:2026/3/17
葬祭業コラム
【葬儀DX対談】㈱日比谷花壇 ライフサポート事業統括部 部長 高田幸治氏×白石和也 LDT(株)代表取締役
LDT㈱の顧客管理システム「スマート葬儀」と人材採用サービス「スマート葬儀ジョブ」。今回は同社CEOの白石和也氏が、花祭壇の設営を容易にし葬儀社の生産性向上・環境配慮に貢献するプロダクトブランド「SusBase(サスベース)」を立ち上げた㈱日比谷花壇の高田幸治部長と対談。SusBaseの概要や導入メリット、スマート葬儀ジョブとの組合せで得られるシナジーなどについて語った。
白石 貴社の概要を教えていただけますか。
高田 1872年に庭園業からはじまり、1950年に都知事の要請で日比谷公園内にフラワーショップを設立したのが当社の誕生です。その後ウエディングやリアル/オンラインでの販売、葬儀部門への事業拡大、現在は商業施設の空間装飾、フラワーグラフィックのグッズ提供、公園の指定管理など地域創生事業にも力を入れています。
白石 次に、葬祭業界を取り巻く環境について伺います。就労人口が減少するなか、「人がいないこと」が経営リスクとして顕在化しています。
高田 葬祭業界の人材不足は、単なる採用の課題ではなく、事業継続性を左右する深刻な経営リスクです。有効求人倍率を見ても全産業平均を大幅に上回る異常事態。これに対応するには、注力すべき業務とそうではない業務を明確に整理していくことが重要だと考えます。自社の強み・優位性となる業務に注力して競争力を強め、そうではない業務についてはDXや新たな技術・手法を取り入れて徹底的なスリム化を図ることが必要です。同時に、既存のスタッフが安心して働き続けられるよう、残業や休みの取りにくさといった労働環境の改善も不可欠です。
白石 なるほど。そうした背景から、昨年11月に貴社は「だれdemo花祭壇」から「SusBase」へのリブランディングを行なったのですね。これには単なるツール提供を超えた意図や思想が込められているように感じます。
高田 今回のリブランディングは、単なる業務改善のツール提供にとどまらず、私たちが葬儀社様と未来をともに創るパートナーとして進化するためのブランド戦略です。SusBaseは葬儀社様の生産性向上に加え、環境保護や社会貢献といった要素をも同時に達成する「サステナブル経営」の基盤として位置づけられるものです。
たとえば、SusBaseは熟練の技術を必要とする花祭壇の制作を未経験者でも可能にしますから、その活用により高齢者や障害者、育児中で短時間しか働けない方など、多様な人材が活躍できる環境をつくり出せます。また、石油由来資材であるフローラルフォームを使いませんから、コスト削減と環境保護にも貢献します。これにより、企業の成長とともに社会的責任を果たし、地域の信頼とブランド価値を高めることにつながるでしょう。
白石 制作・設営時間が90分から30分へ短縮される点に驚きました。なぜ未経験者でも、短時間かつ高品質に仕上げることが可能なのでしょう。
高田 これまで、花祭壇の制作には「完成形をイメージするスキル」と「フローラルフォーム等にミリ単位で正確に花を配置していく高度な技術」が必要で、技術者の長年の経験やスキルなしでは成り立ちませんでした。SusBaseはこれらの属人的な技術や経験を仕組みへと転換させたのです。ベース側の設計で全体のフォルムや花の角度などの工程を自動化、使用する花はすべて14cmほどにカットして挿すだけです。誰が挿しても同じ大きさ・形・クオリティの花祭壇を短時間でつくることができます。
白石 経営者として興味深いのが「2:6:2の法則」を用いた運用提案です。6割のボリュームゾーンにだけSusBaseを活用する戦略について教えてください。
高田 一般的にお客様の層は、こだわりをもつ上位層が2割、中間のボリュームゾーンが6割、シンプル層が2割に分かれます。中間ゾーンが最も売れる、最も制作・設営件数が多く現場の負担が大きい領域ですから、ここをSusBaseに切り替え、経験の浅いスタッフでも品質の揃った花祭壇をつくれるようにすることで、熟練の技術者がすべての案件を抱え込む必要がなくなります。結果的に技術者は上位2割向けのオリジナル祭壇の制作や、高付加価値型の企画、品質・仕入れ管理といったマネジメント業務、あるいは技術教育など、本来の価値を発揮できる一段高いレイヤー(階層)の仕事に時間を使えるようになります。SusBaseは技術者の仕事を奪うツールではなく、負荷の高い領域を効率化し、技術者の時間を高付加価値な領域に戻すための合理的なプロダクトなのです。
白石 LDTでは葬祭業に特化した人材紹介サービス「スマート葬儀ジョブ」を提供しています。月に約1,000人の求職者に登録いただき、1人ひとりとキャリア面談を行ない要望や特性をキャッチアップしたうえで、葬儀社様の求める要件とマッチングを行なっています。特に未経験者の方を応援したいと考えているのですが、そうした新しい人材層の活用においてSusBaseやスマート葬儀ジョブが果たす役割をどのようにお考えですか。
高田 これまで生花部門には「経験者でないとできない仕事」が多く、採用ターゲットが非常に狭かったと思います。しかしSusBaseによって仕事の難易度が下がることで、多様な人材が即戦力として活躍できる環境をつくり出せます。スマート葬儀ジョブが人と仕事をつなぐ「マッチングの機会」をふやし、SusBaseが仕事のハードルを下げて活躍の場をふやす。この2つが揃うことで、採用の母集団が広がるだけでなく、採用した人が確実に活躍可能なところまでをセットで実現できるというシナジーを得られますから、業界全体の人材採用に大きな変化を与えられるでしょう。
白石 一方で、この採用難の時代、「採用で人をふやす」だけではなく、「いまいる人材の価値を最大化する」発想への転換が必要といわれます。この対談の読者は多くが葬儀社の経営者ですが、経営者がいますぐ変えるべき意識とは何でしょうか。
高田 いまいる人材をいかに機動的に動かせるか、ということでしょう。現場では「この仕事はこの人でないとできない」という属人化が起きやすく、「誰かが休むと回らない」「急な案件に対応できない」といった事態が発生しがちで、仕事の難易度を下げて誰でも動ける状態・環境をつくるという発想が必要になります。SusBaseについて考えてみると、未経験者でも短時間で花祭壇を制作できるため、他部門のスタッフでも業務の隙間時間に制作作業を行なうのが可能です。一時的な人材不足のリスクを回避しつつ、組織全体を機動的に動かす仕組みづくりに大きく貢献すると思います。
白石 最後に、当社の顧客管理システム「スマート葬儀」とSusBaseの組合せで、どのような未来のオペレーションがつくれますか。これから生花部門の内製化や効率化を目指す葬儀社さんへメッセージをお願いします。
高田 事務作業の効率化は、組織全体を機動的に動かす仕組みの重要なピースです。スマート葬儀による事務作業の効率化と、SusBaseによる現場作業や仕入れ・廃棄にかかるコスト削減・効率化を組み合わせることで、大きなシナジーを生み出せるでしょう。事務と現場の両方で少しずつ余裕や隙間を生み出し、その人的リソースを機動的に配置することで、少数精鋭でも高品質・高収益なサービスを提供する最強の経営基盤を整えることができます。スマート葬儀による顧客管理や事務のデジタル化(DX)と、SusBaseによる環境負荷を軽減する仕組み化(GX=グリーントランスフォーメーション)を同時に実現し、属人化から脱却する。この組合せが、先進的でクリーンな「未来の葬儀社様のあるべき姿」の1つの答えになると確信しています。
白石 本日は貴重なお話をありがとうございました。
葬儀オペレーションを、もっと効率化。
葬儀運営を、もっとスマートに。
葬儀管理システム・葬祭管理システムのクラウドサービスなら『スマート葬儀』。見積書作成・請求管理・施行業務・供花受注などを一元管理し、 葬儀オペレーションを効率化します。
シェアNo.1・導入600会館以上・月額1.9万円から。
サービスサイト
open_in_newCopyright 2026 AgeRobotics Co.,Ltd